午後のレースが始まった
相変わらず私とマスターは6R 7R 8Rと的中なし
そして二人は9R萩野さんに乗ることにしました。
「萩野さん、9R乗らせてくださいよ。」とマスターが切り出した。萩野さんは快く
「どうぞどうぞ、当たらないけど」
そしてパドックへ3人で向かう。
「萩野さん、何番ですか?」
「12番です」マスターはびっくりした顔で聞き直した
「12番ですか?」何と10番人気だった
「萩さんあれ人気ないですよ」
「人気なんか全く関係ないですよ」その瞬間萩野さんの顔色が変わった
じっと12番だけを黙って見ていました。そしてしばらく無言が続き萩野さんは
「このレースは(見)にしましょう」と一言
「どうしたんですか?」とマスターが聞くと、
「調教を坂12本、やってるのに太い。本来なら前走が478キロから4~7キロマイナスで出てくるはずなんだけど、
プラス体重の理由がわからないからこれじゃ買えないですね。
おそらく飼葉食いが良すぎたか、坂路調教が馬なりのみのどちらかでしたね。
おそらくその両方でしょう。これでは仕上がりが悪すぎますね」
この時確かに私にも太く見えましたが、発表は馬体重プラス6キロでした。

この馬はこれで、ここ3レース続けて馬体重が増えたことになり
この時期は動いてなかったんだと想定されます。
よって確かにな~と頷ける内容でした。
私はそのことを頭の片隅どころかど真ん中に刻み込みました!
私は萩野さんと意見があったことは嬉しかったが、また疑問が1つ出来た。
(12番がだめなら違う馬を買えばいいんじゃないの?)
そして分かったことが。
そういえば先日二人でこんなことをはなしていたな
萩野さんは
「最近GⅠレースが全然当たらなくて。前回取ったのは何のGⅠだったかな」
「萩野さん、それはGⅠが当たらないんじゃなくて、最近のGⅠレースをみんな見にしてるからじゃないですか」
「そうか最近のGⅠ難しいからね」
二人で笑ってる・・・
この人は自分が買いたいと思っている馬以外は全く興味がないんだ!
パドックもその馬しか見ていないんだ。だからその馬が悪い状態の時はあっさりそのレースを「見」にできるんだ!!
この人はレースをやりに来ているんじゃないんだ!馬を買いに来ているんだ!
だからどんなに大きなレースでも「見」ができるんだ!

私の範疇をはるかに超越した世界観にもう機能停止寸前、私の器では到底理解できず
また図ることなんてできるはずもなかった。
結局このレース
私は1番人気から馬連で相手5頭、3番人気から馬連で相手5頭購入
マスターは1番人気から馬連で相手何と8頭。萩野さんは(見)だった。
そしてレースが始まった。
いい感じで1番人気が抜け出し、直線半ばでもうもらったと思った瞬間
2番人気が突っ込んできて直線は2頭のたたき合い!そしてそのままゴール長い判定。そして確定!
1番人気は2着。
的中したものの2人とも取ガミ(=的中したのに収支がマイナスであること)。
そして12番は馬群に沈み10着でした。萩野さんは
「重かったか、その馬自体に力がなかったかわからないけど、言えるのはパドックの段階ですでに購入できる馬ではなかったということですね」
私は思いました。よくこんなに目の前で競馬が行われているのに我慢できるなと。
そして10R。またマスターが萩野さんに
「萩さん10Rはやるの?」
「やるよ」と萩野さん一言
「乗らしてもらってもいい?」とマスター
「どうぞどうぞ。でも11Rのメインの方が自信はあるけどね。11Rは鉄板かな!」
萩野さんの顔は自信に満ち溢れていた。私はそのレースには必ず乗ろうと決めていた

そして再びパドックへ
「萩さん、何番?」
「8番ですよ」またまたマスターの顔色が一変!何回もオッズシートに目をやるマスター。
「え?8番、萩さんそれ11番人気だよ」
「だから人気は関係ないって」萩野さんはただ1頭8番のみをずーと眺めて
他の馬は一切見ていません。俺なら全部見るけどな・・・

そして萩野さんが
「よし今回は行ける」と一言
「門倉君どうする11番人気だよ」とマスターが
「僕も素人眼にですがよく見えました。」マスターは疑いの目で
「門倉君馬見られるの?」
「少しだけ」(おいおい、マスター少しだけ見られるんだぞと思いました)

そしてまたあの光景が。萩野さんはおもむろにカバンから封筒を取り出し
帯封を切りそのままマークシートを塗ったかどうかわからない速度で、馬券を購入に行きました。
私とマスターはぎりぎりまで考えて、マスターは11番人気の8番から相手1番
人気から7番人気の馬連500円ずつ。私は8番から馬連で総流し200円ずつ。

そしてレースが始まった
レースは8番が逃げて他の馬はみんな追いかけていかない。
おそらくつぶれるとおもっい追いかけないのだろうと思いました。
最後の直線まで粘った。私は祈った。(お願い!)
しかしどんどんリードはなくなり、残り400M!しかしまだ3馬身差!!
でもまだ先頭を走っている!後200Mがんばれ!!
そして直線の真ん中を通って足色のいい2頭が突っ込んできた!
人気薄7番人気と3番人気の2頭である!!
1番人気はもうすでに馬群に沈んでいる。がんばれ!!と心の声。
いや、言葉には出ていた。もう瞬きすらできない状態!
ラスト100Mもう1頭2番人気も飛んできて4頭が並んだ!
そして4頭がほぼ横並びでゴール!!
1着は7番人気の3番
そして8番は直線手前で刺され2着と3着と4着の写真判定となった
写真判定。長い長い写真判定。凍り付くような長い時間。
もし7番人気3番と11番人気8番で決まれば馬連5万馬券。
2番人気の2番は不利に見えるが2着3着は全く分からない!
そして待つ
ただ待つ。ただただ待つ。とても冷静でいられない状態で待つ
私は思った。横でマスターが震えた声で
「門倉君、どっちだと思う!8番が2着だよね!」
「本当にわかりませんね?」
そして大写しに!それでも全く分かりません
そして祈った。同じことをつぶやきながら(このレースは取らせてください!)
(この際もう同着でもいいと!)

そして判定結果が!


師匠との出会い その7 に続く
やはり競馬場のゲートで待ち合わせ、そこにマスターと萩野さんが現れた。
なぜか胸に熱いものを感じた。

「おはようございます」
萩野さんが微笑んでくれ
「おはようございます。呼び立てて申し訳なかったね」
「とんでもありません。とても嬉しいです。ありがとうございます」
萩野さんはこんな若造の私にどうしてこんなに丁寧なんだろう?
萩野さんの「人間力」を感じた。


そして前回のようにわざわざ指定席を取っておいてくれていた。
とても嬉しく、指定席代を払おうと


「今日も指定席ありがとうございます。これ指定席代です」
と封筒に入れた指定席代を渡そうとしたら、
「そんなのいらないよ。その代り今日は勝ってね」
萩野さんはほほえみながら、きつい一言!
「はい、ありがとうございます」
マスターが
「門倉君はまじめだし、しっかりしてるね」
とほめてくれたのか・・・?

そして1Rが始まった。当然マスターはすでに馬券を握っていた。
私はとりあえず「見」、そして萩野さんは、やはりコーヒーを飲んで「見」

そしてマスターは「やっぱりの結果」でした。残念!

「競馬場についてすぐのレースはあまりやるものではないね」
萩野さんはそっとつぶやいた。

「何か理由があるんですか」と尋ねると
「まず、パドックも見てないし、忙しい馬券購入になるでしょ?そんなときは的中しないもの。
もし1Rからやりたければ最低1時間前に競馬場に来て、馬券を購入できる状態に気持ちを落ち着けて、
コーヒーでも飲んでから気持ちを<よし、行くぞ!として、
しっかりパドックを見てからそれから購入すべきだよ。
1日の最初のレースとはそういうものだと思います」

(なるほどだから萩野さんは9時30分にゲート前で待ち合わせなんだな!
あれ、ちょっと待てよ。萩野さんがやる最初のレースは前回は10Rだったよな。
そんなに?そんなに準備時間が必要か?)

私はまたまた疑問を抱えたまま2Rのパドックへ
マスターが
「萩野さんはいく?」と聞くと
「俺はまだいいや」
とまたコーヒーを飲みだした。これじゃ競馬場にコーヒーを飲みに来ているようなものだよな?
そして2R私はいつものように1番人気から1番の馬連で相手5頭で各2千円ずつ購入
マスターは1番の単勝5千円と1番の馬連相手3頭で各3千円。

レースが始まった

何と1番が出遅れ。マスターが
「おいおい勘弁してくれよ」
私も
「いい加減にしてほしいですね」
そしてご想像通りはずれ。2人で文句を言いながら席に戻ると萩野さんは
「出遅れで文句を言ってるようじゃだめだな。だって1番は前走も出遅れでしょ?
それは想定内でなくちゃ。また馬も騎手も全力でやってるからそれに文句を言っちゃ
可愛そうだよ」

二人はただただ確かにおっしゃる通りですと下を向くしかなかった。

そして3R 4R と2人とも的中なしでお昼休みを迎えた。
「ごはんいきますか?」
マスターが切り出した。萩野さんも
「そうだね」と立ち上がり。3人で食事に。その時私は聞いてみた
「萩野さんは何Rからやられるのですか?」
「もうやってるといえばやってるけど、馬券は買ってないな。買うのは9Rからかな」
「そうなんですか?」
また疑問を残しながら、わけが分からないまま納得したふりをしてしまった自分がいた。


師匠との出会い その6 に続く  


~マスターのお店(アビーロードにて)~

門倉がマスター(藤井)の店にやってくる
<あれ以来萩野さんのことが頭から離れない門倉は藤井のもとを訪ねた>
マスター:
「いらっしゃい、門倉くん」
門倉:
「マスター先日はありがとうございました。すごかったですね!
萩野さん。あんな馬券見たことないし、あんなに勝ってる人見たことないですよ」
マスターは笑って
「萩野さんはそんなに珍しくないよ。ただ負ける時もすごいけどね。
でも1日に2R~3Rやるんだけど、坊主(=1日に的中なし)は見たことないね。
だから大体プラスみたいだよ」
「すごいですよね!いつも朝からいかれるんですか?」
「そうだよ」
「それなのに2R~3Rしかやらないんですか、萩野さんは」
「そうだね。それ以上はあまり見たことないね」
「そうなんですか。仕事は何をされているんですか?」
「私もよく知らないんだけど、聞いた話では、馬関係の仕事をしているとか
実は馬券師だとか」
「馬券師?」
「競馬で生計を立てている人のことだよ。馬券を買って的中させている人だよ」
「いつもあれだったら生計は余裕で立てられますね」
「羨ましい話だよ。俺もああなりたいよ」
新しくお客さんが来て
「いらっしゃいませ。今日はおひとりですか?」

私は心の中で、「俺もそうなりたいよ」とつぶやいていました。
帰宅途中門倉は何度も何度もあの日のことを思い出していました。
「俺もあんなことが出来るようになったら、人生楽しいだろうし
かっこいいよなー」と心の中でつぶやきながら。

帰宅後先日の新聞をもう一度広げて門倉は自分が買った馬ではなく、
萩野が買った馬の馬柱を何度も何度も穴が開くくらい見直していました。
しかしそこにはなんの答えも出るはずもなく、さらに頭の中にあの場面が
走馬灯のように浮かんでくるだけでした。
「あーわからない、全然わからない!!どうしてこの馬の単勝と複勝をあんなに買えるんだよ。75万だよ!75万!!俺の1ヶ月のお給料の倍だよ!!

この時同時に門倉は萩野に嘘をついたことに後ろめたさも感じていたのである。
競馬を初めて実は8年目だったのである。そして毎月30万円、お給料のほとんどを
競馬につぎ込んでいたのである。そして生活費はほぼ麻雀で稼いでいた。

門倉は次の夜仕事が終わるとまた藤井のアビーロードを訪ねる
マスター:
「あれ!?門倉君!いらっしゃい」
門倉:
「マスターこんばんは」
「何にする?」
「ターキーシングルストレートで」
注文を聞くとマスターは少し笑みを浮かべながらボトルを取って
ストレートをつくってくれ
「はい、どうしたんだい。二日続けてくるなんて珍しいじゃないか?
萩野さんのことが気になるんだろ?」
マスターはお見通しだった
「今週もどうだい?一緒に行くかい」
「いいんですか!!」
「今電話してあげるよ」
マスターが電話をしてくれている間、私はドキドキだった
いつの間にかターキーを飲み干していた。
「あー萩野さん先日はどうもでした。実はこの前一緒に行った門倉君が
是非もう一度行きたいって言うんですよ。どうですかね」
その返事を聞くまでに私は倒れそうになるくらい、鼓動の音だけが聞こえ
周りの音は全く耳に入って来なかった。

「あーそうですか。ではまたの機会に。じゃまた」
「萩野さん今週は気になるレースがないからすべて(見)<=レースを見送ること>
なんだって」
「すべて(見)???よくそんなことができますね?」
私はあまりにも落胆して、また萩野さんの
「気になるレースがないからすべて(見)」と
いう私には決してできない次元の違う答えにまた驚き、驚愕、そしてまた落胆。

「門倉君にはあまりにも衝撃的だったようだね、萩野さんが」
マスターの言葉に変えせる言葉は<図星>だった
私は笑ってごまかすしかなかった。

そして長い1週間が過ぎマスターから電話が
「門倉君、今週は萩野さんが競馬場に行くみたいだよ。だから頼んであげようか?」
考える余地などなく、かぶり気味に
「是非お願いします!!!」
「じゃ、頼んでおくね詳しくはまた連絡します」
電話を切ってから
「ヤッター」と叫んでしまったのはいうまでもない。

そしてその日「X-DAY」がやってきた


師匠との出会い ~その5~ に続く


荻野さんが「よし、分かった」と一言つぶやいて、おもむろに、バッグから封筒を取り出した。
中には帯が2束!初めて見る光景だった。
そして萩野さんがマークシートを塗り、それも、ものの1分で席を立った。萩野さんが戻ってくると俺は荻野さんが購入した馬券を見たくて見たくて仕方がなかったが、そんなことをきり出せるわけもなく、自分も馬券を購入しに行った。マスターは2番人気の2番から馬連5点流し。私は1番人気の6番から馬連で5点流し。レースがスタートして
やはり1番人気が直線で抜けだして1着でゴール!!
今日の初的中だ!!配当は2着が2番2番人気、3着が7番5番人気で馬連580円。1000円買っているから5800円。
800円のプラスだ。でもそれまでにマイナス2万円だったので、いまだにマイナス19,200。萩野さんは興奮した様子もなく席に戻ってきた。
マスター:
「萩野さん、どうでした?」と尋ねると
「とったよ」とおもむろに見せてもらった馬券に、仰天!驚愕!そして静寂!一瞬空気が止まったような感じがした。また初めて見る光景。
マスター:
「7番の複勝に50万!!何だこりゃ!!」
マスターの眼が大きくなっていた。俺も完全に固まっていて本当に時間が止まっていた。辺りの音も消えていた。静まり返ったようだった
配当が出た

「複勝220円だから、
50万円 × 2.2 =110万!!
元手は50万円だから60万円の儲け」


ただただ二人は茫然。
そして11Rのパドックが始まった。心なしか萩野さんの表情がかわった。そして萩野さんが席を立った。しばらくして戻ってきたと思ったら、やはりマークシートを1分くらいで記入してまた馬券を購入しに。私は本命がちがち1.8倍の2番から馬連で5点。マスターは10番2番人気から馬連5点!
そして11Rがスタート。やはり期待通りに5番人気の2番がにげ、他馬がそれを追う展開に。そして直線で内から2番が10番を捕まえに行く。そこに大外から3番人気16番が突っ込んできて2番をかわしてゴール!!かたい決着だった
またもマスター沈没。俺は馬連的中するも320円で取ガミ。
そして萩野さんはやはり沈黙。今回は取れなかったのか。と思ったときにやはりマスターが
「萩野さんはどうだった?」と尋ねた。
「とったよ」とおもむろに見せられた2枚の馬券にやはりあたりの空気が固まった、時間が止まった。私は呼吸をしていただろうか?
「16番の単勝25万 複勝50万!!!何だこりゃ!!」
そして配当が出る
16番単勝720円 複勝 200円だった。
結局、この日は私もマスターもマイナス。マスターに至っては、坊主!私も2勝はしたものの。。。。
そんな中萩野さんは

25万円×7.2 = 180万
50万円×2 = 100万
元手75万円を引いて なんとプラス205万円。


萩野さんは朝から2レース馬券をたった3枚購入しただけで、
なんと1日で265万円も勝っていたのだ。
私とマスターの労力はその何倍だろうか?
本当に今日はすごいものを見させてもらった。

師匠との出会いその4に続く




~中山競馬場にて~
門倉:
「マスター、おはようございます。今日はありがとうございます」
マスター:
「おはよう、なんか楽しそうだね~。おー来た来た!萩さん」
「門倉君、こちら 萩野さん」
荻野:
「初めまして、萩野です」
門倉:
「初めまして、門倉です」
(この人こんな若造の俺になんでこんなに丁寧なんだろう?)


~これが私と師である萩野さんとの出会いでした~

マスター:
「萩さん、今日は何レースからはじめるんだい」
荻野:
「10Rからかな」
門倉:
(えーまだ2Rが終わったばかりだよ~。じゃもう少し遅い時間の待ち合わせにしてよ)
マスター:
「じゃ 俺はいいと思ったレースから買うかな。門倉君は?」
「それじゃ、僕もそんな感じで」
萩野:
「予約席とっておいたから、こっちだよ」
門倉:
「すげー、予約席なんて初めてだよ。嬉しいなー」
エスカレーターでドンドン上の回に上がっていく。
「うわー スっゲー」
はじめてみる光景で、目の前がガラス張りのゴール真正面!!
(この人いつもこんなところで競馬してるんだろうか。いいなー)
マスター:
「じゃー俺は4Rから予想をはじめるかな。新聞はと・・・」
門倉:
(おいおいマスター今から予想かよ、俺なんか昨夜のうちに全部終わらせてきてるし)
「じゃー俺も4Rから買います」
(萩野さんはただ新聞を見ているだけで、一向に買おうとしない)
マスター:
「よし、できたこれで行こう。門倉君は?」
「俺もできました。」
「じゃ買いに行くか」
「はい」
その時萩野:
「早いね、パドックは見ないの?」
門倉:
「はい、早いレースなので」
萩野さんは不思議そうな顔をしていた。
今思えば確かに分けのわからないことだ。
マスターと二人で馬券を購入して戻ってくると、萩野さんは一人でコーヒーを飲みながらただ新聞を眺めていた。
萩野:
「二人の分も、買ってあるよ」
とコーヒーがテーブルの上に置いてあった。この人はまだ良くわからないけど、こんな俺にも気を使ってくれるんだなと感じた。
いよいよ4Rが始まる。

その時萩野さんが、つぶやいた。
「10番だな」

レースがスタートして1番人気の5番が直線抜け出す。
私は5番から馬連で相手5頭。もらった!と思ったその瞬間。
外から10番が突っ込んできた。そして5番も刺され3着に。
その時10番は8番人気だった。
マスター:
「何だよ~。1.9倍の1番人気があんなに簡単に差されて3着かよ。だめだな。門倉君はどうだった?」
門倉:
「俺も当然だめでしたよ~。」
まだまだこれから!これから!と思い、新聞を見る。
5Rも1番人気の8番から2番人気から7番人気へと馬連で流す。
そしてレーススタート!

それと同時にまた、萩野さんが
「12番か」とつぶやく


そして1番人気の8番が直線で抜け出したところに、外から12番が突っ込んできて2着。その12番は5番人気で、買ってない。
またダメだ。でもこの人また的中させたよ。どうして馬券を買わないのだろう?
マスター:
「まただめだ、ひもが違うよ。だめだね~。萩野さん、飯行きますか?門倉君も」
「はい」と俺は返事をしたけど、どうしてそんなに馬が見えているのに馬券を購入しないのですか?と荻野さんに聞きたくて聞きたくてしかたなかった。
 食事をしながら、萩野さんが声をかけてくれた。
「門倉さんは、おいくつですか?」
「30歳です」
「じゃ、競馬歴はまだ10年くらい?」
「まだ4年目です。いつも負けっぱなしで。全く勝てないのですけど。どうしたら勝てますかね」
「競馬は難しいからね」私は思い切って切り出した。
「どうして勝てそうな馬が見えているのに、馬券を買わないのですか?」
「そのレースを買うつもりで、来ていないからだよ」
私はその時体に何かが走ったのを感じた!!
私はよくわからないまま、
「そうですか??」と理解したふりをした
マスター:
「さー行くよ。次次!次のレースは取るよー」
そして6Rはみんなで「見」をして7Rへ
またも萩野さんは「見」
私とマスターが1番人気から流すも1番人気は馬群に沈み、またまたはずれ。続く8レース9レースは大荒れで全く取れず。そして萩野さんが動いた。


師匠との出会いその3 に続く


~雀荘にて~
オーラスで門倉が親で41000点のトップ
2着は34300点の南家、待ちはスーチーソ―で、チーソーで満貫であり、ダマテン。そこに3着目が聴牌。チーソーを切って
「リーチ!」
2着の吉田:
「ロン!タンピン三色ドラ1だ。よっしゃ!これで俺のトップだ!」
と喜んでいると。
静かな声で門倉:
「ロン」
「タンヤオのみ」
吉田:
「まじかよ また門倉さんのトップかよ!!」
「しかもスーソーとチーソーのバッタかよ!」
岸本:
「あれ?門倉さん、全順でローソー残しておけばタンピンじゃないですか!?」
石井:
「そこが門倉さんの強いところさ、本当に大事なところで放銃を回避するよね。強い 強い 今日はここまでね。またね門倉さん」
門倉:
「いっちゃん またね。明日もよろしく!!」
吉田:
「少し飲みに行きませんか?」
門倉:
「たまには行くか」と楽しそうに答えた。

~飲み屋にて~
マスター:
「門倉さん、いらっしゃい。最近麻雀の方はどうよ?」
吉田:
「また、門倉さんの一人勝ちだよ。本当に何とかしてよ。たまには門倉さんに勝ちたいよね」
門倉:
「先月、勝ったじゃない!」
吉田:
「それ1ヶ月以上も前の話でしょ。それもおれがバカズキして、それでも門倉さんも勝っての勝ちでしょ」
マスター:
「なるほどね。それじゃーね・・・。競馬の方はどうよ。」
門倉:
「全くダメで、先週は5レースやって全敗。1つも当たらず。おけら!」
吉田:
「これで競馬まで勝ちまくりじゃ、神様を恨むよ。どうして門倉さんばかりって」
マスター:
「私の知り合いで競馬がうまい人がいて、今週一緒に中山競馬場に行くんだけど、一緒に行く?」
門倉:
「よかったらご一緒させてください」
「じゃー聞いてみようか?」
マスター(電話):
「もしもし 藤井です。今週もう一人うちのお客さん一緒でもいいですか? そうですか分かりました。では日曜日に、よろしくお願いします。」
「いいってさ。一緒に行こうね」
門倉:
「お願いします」
吉田:
「門倉さん、麻雀で勝つと全部競馬で負けてくるんですから、ほどほどにしてくださいよ」
門倉:
「おまえー」

師匠との出会いその2へつづく